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同じ田舎出身の司法書士事務所の担当君がある日こう言った。
「雪丸さん、知ってます? 僕等の通った小学校、無くなっちゃうらしいですよ。」 ええっ! 無くなる!? なんでも2つある小学校を統合することになったらしい。 閉鎖されるのは当然老朽化が進んだ方。 町自体も第2の夕張になるだろうと予言したくなるシャッター通り。 昔のような活気は全くなくなっているし、この少子化だものね。 仕方がないんだけど、寂しい。 寂しいなぁ。 それで、先日の帰省時、お墓参りの帰り道、寄ってみた。 色んな事を思い出した。 運動神経ゼロなので、体育の時間が苦痛だったこと。 冬になると先生達がこのグラウンドをスケートリンクに変身させたこと。 氷の上に立つのがやっとだった私の手を引っ張って教えてくれたO先生。 テレサ・テンみたいに可愛いH先生。 卒業式の日、背広の胸ポケットの奥さんが挿してくれた赤いカーネーションがカッコ良かったN先生。 裏の暗い雑木林でどんぐり拾い。 日が暮れるまで遊んだ帰り道、どこかの家の煙突から立ち上るストーブの煙。その匂い。 みんな、みんな、昔。 全て過ぎ去っていくんだね。 終わりのないものなんてないけど。 いや、終わりがあるから本当は救われているのか。 なーんて考えながら・・・。人けのないグラウンドを眺めた。 **************************************** 車から降りたら、すぐ傍に蜘蛛の巣に引っかかってユラユラ揺れているトンボを見つけた。 サーカスの空中ブランコみたいに。 もう死んじゃってるかな?と思いながら足に指を添えてみたら、しっかりと握りかえされた。 うん、わかったよ。 蜘蛛には悪かったけれど、粘つく糸からそっと引き離した。 よく、野生動物のドキュメント番組なんかで、親とはぐれた為に生きていけなくなった動物を「自然の摂理」「自然淘汰」「人間が手を出してはいけない」と淡々と(じゃないかもしれないけど)映したりってあるけれどさ。 ああいうのを見るたびにいつも思うのだ。 助けてやってよ! その目の前の1頭を助けたからって生態系が崩れたりしないよ! どーしてレンズのこちらで平気で見ていられるんだ。消えそうな命を。 いいじゃないか、1匹くらい。 1羽くらい助けたって。 指の上でトンボはじっと動かなかった。 よく見ると前足と口、右の羽の先にもしつこく蜘蛛の糸。 ピンセットを取りに行って慎重に糸を引っ張る。 細い足が一緒に取れちゃうんじゃないかと心配だったけれど何とか成功。 羽の先のは無理だった。 数分たった頃、トンボは勢いよく秋空めがけて飛び立った。 飛べ飛べ! あと何時間か、それとも運よく数日か、生きられるかもしれない。 それまで自由に飛びなさい。 たった1匹の赤トンボだけど。 飛べる自由を存分に楽しめ。 更に運が良かったら恋人も見つけて。 蜘蛛の巣には御注意を~~! ・・・にしても、あそこの蜘蛛には恨みを買ったかなぁ。 ま、生きてればこんな事もあるのだ、蜘蛛よ。
by yukimaru122
| 2009-10-01 21:49
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